近場や穴場の神社紹介。地元の紹介。

  1. ホーム
  2. 御朱印
  3. 猿賀神社/近くの盛美園も有名になっちゃって

猿賀神社/近くの盛美園も有名になっちゃって

基本情報

神社名  : 猿賀神社
読み方  : さるがじんじゃ
住所   : 青森県平川市猿賀石林175
御朱印  : あり。期間限定の特別御朱印もあり。
建立年  : 延暦12年(793)
創立者  : 坂上田村麻呂
その他  : 津軽龍神
       辰・巳年の守護神

歴史

蝦夷平定に際して、坂上田村麻呂は苦戦を強いられる。しかし田道命の霊感により大勝した。その後その地に祠を祀る。
そのことを桓武天皇へと報告すると、勅命により大同2年(807)に社殿を造営し、【奥州猿賀山深砂大権現】を勧請する。
神威天長・国家安隠・黎民豊楽・悪鬼退散を祈願した。
以来は【猿賀の深砂宮(神蛇宮)】と崇められた。
地方唯一の霊場と仰がれるまでに至った。
嘗ては藤原秀衡公・北畠顕家公・安倍氏代々等の国司らに崇敬されていた。
藩政時代以降は津軽為信公により祈願所として定められる。社殿の改修造営・社領の寄進などはしばしばあった。
明治4年に権現号を廃止し【猿賀神社】と改める。
明治6年に郷社になり、明治13年に県社へと昇格。
戦後は社格が廃止されるが、昭和34年に神社本庁別表神社に加列される。

御祭神

主祭神 : 上毛野君田道命
読み方 : かみつけぬのきみたみちのみこと

相殿神 : 保食神
読み方 : うけもちのかみ

御神徳

【主祭神】
国土開発、農業・漁業等の諸産業の守護神、交通などの守護神。東北地方の守護神。必勝祈願・勝利成功

【相殿神】
五穀豊穣・五穀農耕の主神

上毛野君田道命とは?

・ 仁徳朝時代の武人
・ 仁徳朝は西暦で言えば300年代から400年くらい
・ 祀っている神社は多くないが、北海道・東北地方に点在している
・ 日本書紀によると367年に蝦夷の反乱平定のために東北地方に兵を進めたとされる
・ 伊峙水門(いしのみと)で戦死
・ その霊を秋田県の鹿角郡猿賀町に祀ったとのこと
・ 大工事委があり田道命の神霊が白馬にまたがり、漂木を船として流れていき、青森県平川市猿賀にたどり着いたという
・ 祀る神社としては【猿賀神社】がもっとも有名

境内の様子

【鳥居】
笠木  : 反り増しあり
島木  : あり、反り増しあり
木鼻  : あり
楔   : あり
額束  : あり
その他 : 柱の上部に台輪有り
・ 特徴から明神系からの発展形の台輪鳥居
・ 石製でどっしりとしており、大きく立派

【手水舎】
・ 蓮の季節になると、手水舎の水の中にも蓮が浮いている
・ 水口は龍神様
・ 結構水の勢いは強い

【狛犬たち】
・ 唖形・吽形合わせて12体
・ 二体目と四体目は同じ姿勢
【一体目の狛犬】
髪・眉 : 髪はペタッとしており、眉との区別がわからない
口・歯 : 牙が目立ち他の歯は分からない。唇がわかる
目・鼻 : 芽は楕円形で瞳がある。花は団子鼻で目立つ
毛・尾 : 毛並みはカールして張り付いている。立ち尾
手足  : ずんぐりとし、丸みを帯びている
姿勢  : おすわり

【二体目・四体目の狛犬】
髪・眉 : 前髪がカールし眉との区別はない
口・歯 : 
目・鼻 : 楕円形で大きな瞳。鼻も目立っている
髯   : 立派なあごひげ
毛・尾 : 毛並みはわからないが、尾は流れ尾で、先っぽで渦巻いているのが特徴的
手足  : がっしりとしており、大地にしがみ付いている様
姿勢  : お尻を突き出しとびかかろうとしている
・ 黒石神社の狛犬によく似ている
・ 姿勢こそは出雲方に酷似しているが、出雲方に当てはまらない独特なもの

【こちらは黒石神社の狛犬】

【三体目の狛犬】
髪・眉 : ごわごわしたような髪質でカール。前髪で眉がわからない
口・歯 : 牙は見えるが、その他の歯は分からず。口ブルがわかる
目・鼻 : 楕円形で瞳がある。鼻は大きいだけでなく、鼻の中に色が付き目立つ
毛・尾 : 全身に流れた毛並み。尾は立ち尾
手足  : 他に比べると少し細め。普通のワンコの様な座り方
姿勢  : 片足上げてお座り中
・ 吽形型の葦の下には白い毬
・ 唖形型の方の足元には子犬がいる、親子型の狛犬
・ 子護り獅子

【拝殿を正面に右側の狛犬たち】
【手前の狛】

髪・眉 : 全体的にカールしており、眉が隠れている
髯   : 顎だけでなく、唇の上にもひげが伸びている
口・歯 : その結果唇が目立たない。牙の他に、三角の歯が並ぶ
目・鼻 : 真ん丸の瞳。大きな獅子鼻で、顔全体を見ても目立つ
毛・尾 : 毛並みは流れ体に張り付いている
手足  : 丸みは無く、棒のように伸びているが、だっしりとした爪が目立つ
姿勢  : お座り
・ 拝殿前の狛犬とはまた違う毛色の狛犬
・ 笑っている様にも見える

【奥の狛犬】
髪・眉 : 豪快な髪はしていない。前髪カールで眉は目立たず
髯   : 顎と口周りに髯
口・歯 : 唇は目立たず。牙のみで、ほかの歯は目立たない
目・鼻 : 丸く瞳の存在感がある 
毛・尾 : 毛並みも髪同様に目立たない。張り付き、尾は立ち尾。
手足  : まっすぐに伸ばしている
姿勢  : とても姿勢の良い座り方

【拝殿・本殿】
・ 県重宝で流造
・ 蟇股には3体の龍神様
・ 木鼻は獅子
・ 歴史を感じさせる堂々とした感じがする
・ 本殿は赤い垣で囲われている
・ 見た目はシンプルだが、蟇股と木鼻の彫刻が素晴らしい

【鏡ヶ池・蓮の花】
・ 猿賀神社信仰の中心の神池
・ 散供占いの霊場
・ 北限の蓮の花の群生地
・ 津軽藩二代目藩主信牧公の霊夢によりつくられたという伝説がある
・ 此処の蓮根を加工した『れんこんようかん』は、尾上地区の特産品

【胸肩神社】
・ 弁天宮
・ 市杵島姫命を祀る(宗像三女神の一柱)
・ 加賀美池の中央島に鎮座
・ 神社の前には太鼓橋の神橋
・ 蓮の花の時期には、眺めが最高
・ 社殿前・神橋前には狛犬が居る

【あかい堂】
・ 水天宮
・ 冷水の湧水有り。現在は止めている
・ 水波能女神
・ 日本書紀では罔象女神(ミヅハノメノカミ)
・ 古事記では弥都波能売神(みづはのめのかみ)
・ 龍神様・水の神
・ 占場でもある

【猿賀石・珍木】
・ 坂上田村麻呂将軍が、蝦夷討伐の時に、賊将の大丈丸を射止めた際に、その頭を葬り上に置いたと伝わる大石
・ 猿賀石付近に植物学上貴重な存在である「にしき木」がある

御朱印について

あり。
蓮の花が咲くころになると特別御朱印もある。
津軽龍神霊場御朱印。

まとめ・感想

まさかの狛犬の形状が黒石神社の狛犬と似ているというつながりを持つ。出雲式のようでありながらも、異なる歴史・文化を持つ形状をしている。
祀っている神霊も田道命と言い、よくある神社の神霊とも違うという。青森の平川に他とは色々な面で違う神社があったことに驚いた。
拝殿からのエネルギーは勿論だが、蓮からも何かしらのパワーを頂けるような気がする場所。
季節によっては満開の蓮に圧倒されるのだろう。筆者は満開の瞬間に立ち会ったことはないが、散り際もまた風情があって良いだろう。
猿賀神社参拝の後は、直ぐ近くの名勝【盛美園】の見学もお勧めする。
映画『借りぐらしのアリエッティ』の舞台になった場所だ。映画に出てくる庭園と建物、そして建物の中を見学してみるのも良いかもしれない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA