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神明宮・沖舘観音堂/ひどい人も居るもんだ

広船観音堂参拝後に少々南へ車を走らせると行きつく観音堂。広船観音堂は多くの観音堂同様に住宅街にあったが、こちらの沖舘観音堂は少し外れてる?神職の御宅の向いにあるが、何か自然的な怖さが…。

基本情報

神社名  : 神明宮
読み方  : しんめいぐう
霊場名  : 沖舘観音堂
住所   : 〒036-0141 青森県平川市沖館宮崎266−3

御朱印  : あり
御本尊  : 十一面観音
創建年  : 延暦10年(791)
御詠歌  : 霧霞 くもりて見ゆる 沖舘も 祈る心に 晴るる薄雲
始まり  : 坂上田村麻呂の東夷東征
その他  : 津軽三十三観音堂霊場第二十九番札所

歴史

坂上田村麻呂が御堂を造営し、歓喜天像と十一面観音を祀り戦勝祈願したことが始まりと伝わる。
一時荒廃するが永仁2年(1294)に知慶和尚が再興。
文亀3年(1503)or文明11年(1479)に、一道坊全賢修験者が神明宮を勧請し神仏混合となる。
天正3年(1575)に、当時の領主である津軽為信が、南部家家臣である瀧本氏の居城である大光寺城攻略の戦勝祈願したところ見事念願成就。その感謝の意を込めて『十一観音像』をはじめとした鏡・祭具などを奉納し社殿を再建した。
慶長13年(1608)に、火災により多くの社殿・社宝・記録などを焼失。十一面観音像だけは奇跡的に被害を免れる。
その後も弘前藩津軽家の庇護を受け、安政6年(1859)に、十二代目藩主津軽承昭により厨子を奉納。
明治初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃止。それにより御本尊は大行院(弘前市)に遷され、社号も【神明宮】に改称。廃仏毀釈運動が薄まると再び境内に遷され、【沖舘観音堂】が建立。御本尊も戻され、【津軽三十三観音霊場二十九番札所】として篤く信仰を集めていく。
神明宮寺宝である菩薩坐像は寛文7年(1667)に【円空上人】が津軽の地を訪れた際に彫刻されたと推定される木像。
沖舘観音堂に安置された経緯は不詳。青森県内に残る円空仏は少ないため貴重な遺構。それにより昭和43年(1968)に青森県宝に指定。

文化財

【県宝】
・ 円空仏
・ 十一面観音像

【市指定文化財】
・ 絵馬

御祭日

例祭  : 6月16日

御祭神(神明宮)

・ 天照皇大御神

御祭神の神格と御利益

【天照皇大御神】
・ あまてらすすめおおみかみ
・ 古事記では【天照大御神】
・ 日本書紀では【天照大神】
・ 日本で最初のひきこもり(岩戸伝説)
・ 天皇家の祖神で、日本人の総氏神
・ 稲作文化を人々に伝えた神様
・ 養蚕の技術と機織り技術も授ける
・ 高天原を統治
・ お伊勢様
・ 日本でもっとも有名な女神
・ 太陽神。日輪神
・ 岩戸ひきこもりの際に、天照大御神を外に出すための会議時の司令塔は思金(おもいかね)
《神格》
太陽神、高天原主神、皇祖神、総氏神、幡織神、農業神
《御利益》
開運隆盛、勝運、健康祈願、子孫繁栄、合格、出世、五穀豊穣、国土安泰、国家安泰、諸願成就、厄除け、魔除け

御本尊について

【十一面観音】
・ じゅういちめんかんのん
・ 苦しむ人を直ぐ見つけるために、頭上に【11の顔】がある
・ 全方向を見守っている
・ 現世利益と死後成仏などの様々な御利益があり、千手観音菩薩と並び人気が高い
・ 六観音の一つ
・ 修羅僧に迷う人々を救う
・ 奈良時代から信仰されている
《像容》
・ 左手に花瓶を持つのが一般的
・ 右手を前にして開き、施無畏手の2本の腕の場合が多い
・ 密教の経典にはは、4本や8本の腕の像もある
・ 通常菩薩に性別はない
・ 十一面観音に関しては【ふくよかな女性】をイメージする美しい像が多い


《真言》
オン・ロケイジンバラ・キリク・ソワカ
《御利益》
様々な災難・病気平癒、財福授与、勝利を得る、延命、地獄に落ちずに極楽浄土に行ける

円空上人

・ 江戸時代前期の木食上人
・ 木の実や草のみを食べる修業を積んだ僧侶のことを【木食上人】という
・ 円空は全国を仏像を彫刻しながら巡錫していた
・ 寛文6年に青森にも来訪
・ 身分・出生が不明な僧侶という理由から弘前藩から弘前城下を追い出されている
・ その後松前に渡ったとか
・ 油川の浄満寺・蓬田の正法院・平舘の福昌寺・三厩の義経寺に円空仏が残されている
・ その他にも下北半島や、浪岡の元光寺・西光院などにも4体の円空仏が残されている

霊場が抱える問題

・ 一の鳥居近くに神職のご自宅があるが、境内と朱印所は無人
・ 管理者が近くにいるということで境内・観音堂内は綺麗にされている
・ 今年は雪が少ないため雪害はあまりない
・ 建造物の崩壊も見られず
・ 朱印所は基本的に無人のためか、朱印用の御金入れ・賽銭泥棒があったとか
・ それを指摘する掲示文が朱印所の壁に貼られていた
・ 他の霊場でもあったらしく、過激なものでは『天罰が落ちる』等の文言もあった
・ 『神様に見られている』という気持ちで参拝をしないと…
・ ルールとマナーは大事

境内の様子

【鳥居(入口から三の鳥居まで)】
笠木  : 水平
島木  : なし
木鼻  : なし
楔   : ばし
額束  : なし(三の鳥居にはあり)
その他 : 貫が角形
・ 入口から同じような鳥居が3つ続く
・ 材料は石造
・ 特徴から神明系鳥居の【靖国鳥居】
・ シンプルな造り
・ 笠木にうっすらと雪が積もっている

【参道】
・ 周りは木々に覆われている
・ 吹雪くでもなく、しんしんと雪が降る
・ 幸いにして参道は凍っておらず歩きやすい
・ 観音堂・神明宮に続く階段には手すりがついている
・ ………が、冬の雪が降る日に掴むのは勇気がいる

【手水舎】
・ 冬場は安定の水が止まっている
・ 四脚の建物
・ 低めに囲いがしてある
・ 柄杓はわかるが、まさかのヤカン

【ウマ】
・ 結構短足なウマ
・ 駆け抜けようとしているような姿勢

【観音堂へと続く階段前の鳥居】
笠木  : あり
島木  : あり・反り増し?
木鼻  : あり
楔   : あり
額束  : あり
その他 : 柱の前後に稚児柱
・ 特徴から明神系鳥居の発展形の【両部鳥居】だと思われる。島木に反り増し見られないけど…
・ こちらの鳥居は木造で朱色
・ 入口に掛けられている注連縄よりも新しく感じられる

【観音堂】
・ 鳥居を潜り抜け、階段を上っていくとこじんまりとした建物が…
・ 沖舘観音堂
・ 木造平屋建て
・ 外観からもわかるとおりに内部も狭い
・ 狭いスペースに詰められるだけ詰めた、と言った雰囲気の内部
・ 壁はごちゃごちゃしているが、床やその他は整理されている
・ 階段の上にあり、全容が不透明だが、建物の形状は『平入』の『切妻造り』ですかねぇ?
・ 昔話に出てくるような、観音様の隠れ家の様な雰囲気を持つ建物
・ 内部の壁には沖舘観音堂関連の書き物だけでなく、【大阪八十八会】と記された幟もあった

【狛犬(手前)】
髪・眉 : 前髪カール。両サイド・後ろ髪もカールしている。髪は長め。ふっさり眉毛。カールしている
口・歯 : 唇有り。ひらべったい舌が口腔内にある。牙が上下に4本ずつ。四角い普通の歯がある
髯   : 顎髭がある。長いひげもあるがカールしている
耳   : 完全に臥せっている。ラブラドールみたいな感じの耳
目・鼻 : 楕円形の目で、黒目の瞳が入っている。顔の大きさに比べて目は大きく無い。鼻は獅子鼻で大きめ。
毛・尾 : 全身にもっさりとした毛並み。尾は体に張り付くような立ち尾
手足  : 手足共に大きい。爪でがっちりと大地を踏みしめている
姿勢  : 伏せっていて、今まさに飛びかかろうとしているような姿勢
・ 体に張り付いてはいるが、うねる波のような毛並み
・ 毛先のカールが激しい波を表現している様にも見えてしまう
・ 吽形型・唖形型共に獅子舞のような見た目

【狛犬(御社殿階段前)】
髪・眉 : 前髪カールで眉が隠れている
口・歯 : 4本の牙と四角い歯が並ぶ。口腔内には舌
髯   : 顎からまとまった髭が4束伸びる
耳   : 平行四辺形の様な耳が立っている
目・鼻 : 楕円形の大きな目と瞳。鼻は大きな獅子鼻
毛・尾 : 体に張り付いた毛並み。ライオンの様に顔周りにカールした毛がのびている。1本の立ち尾と周りは短いカールした毛がある
手足  : 手足共に大きく太い
姿勢  : お座りの姿勢。背筋は伸びている
・ 手前の狛犬に比べて新しい見た目
・ 似たような狛犬を八戸の蕪島でも見た気がする
・ 吽形型の足元には子狛犬。唖形型の足元は毬
・ 毬がサッカーボールに見えてしまった
・ 吽形型の子狛犬は、親の様に頑張って凛々しい表情をしている

【御社殿前の狛犬】
髪・眉 : 髪先がカールした髪。ボリューミーではない。前髪カールで眉は隠れている
口・歯 : 牙は生えているが、他の歯は見えない。唖形型は口腔内が赤い色で表現されている
髯   : 短いあごひげが生えている
耳   : 髪に隠れるように短い伏せ耳
目・鼻 : 真ん丸な眼。平べったい獅子鼻
毛・尾 : 毛並みは体に張り付く。毛並みは短い。頭まで届くような立ち尾
手足  : 前掛けに隠れている
姿勢  : 姿勢の良いお座り
・ 年代と見た目的に、手前の4対よりも古く感じられ
・ 先の4対に比べて派手さは無い
・ 控えめな顔つきだが、小型犬のような可愛さがある
・ 唖形型の表情は笑っているようで可愛い

【御社殿】
階層   : 平屋建て
材質   : 木造
建築様式 : 入母屋造
屋根の特徴: 平入 
屋根の材質: 銅板葺(?)
・ 雪害予防なのか、至る所に柱で保評されている
・ 落雪防止のためか庇に雪止めがある
・ 注連縄と国旗が掲揚されている。国旗はかけっぱなしというわけではないらしい
・ 林の中に佇み、雪の降る中の無人社。寂しいが、安心して受け入れてくださる神様に感謝
・ 雪害による被害は見られない。しっかりと整備されているのだろう

【神道祖霊社】
・ 一の鳥居の隣にある
・ 御朱印の拝受できる建物
・ 観音堂同様に参拝する場所
・ こちらは神道系なのだろうか?

御朱印について

・ 津軽三十三観音霊場御朱印有り
・ 一の鳥居近くの建物に御朱印有り
・ 建物の名前は【神道祖霊社】
・ 24時間対応
・ 押印は自分で

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まとめ・感想

住宅外を通り抜けていくと見えてくる。霊場。守とまではいかない林の中に佇む観音堂と神明宮。不思議な雰囲気を楽しめると思うが………今回訪問時は冬!雪が降る中の参拝となった。
神明宮の一の鳥居近くには神職さんの御宅があるが、閑散としており殆ど無人に近い雰囲気となっている。
参拝時は自分一人。キュッキュッと雪を踏む音と、サシュッサシュッといった雪が降り積もる音だけが響く。参拝時に何かの視線を感じるような…そんな場所だった。
無人とはいえ観音堂内と神明宮境内はよく整備されていた。霊場として手厚く大事にされているような場所だっただけに、朱印所の【賽銭泥棒】の件は残念だし、罰当たりな輩がいるのだと感じてしまう。

昨今霊場の管理者不足で無人になったり、朱印自体を辞めてしまうところもあるとのこと。
自分含め参拝者はルールと、神仏が見守る場所ということを肝に銘じて、来れたこと・出会えたことに感謝の気持ちを持って参拝していきたい。

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