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御朱印についてパート2~津軽の霊場巡り~

霊場巡りって何?

筆者の記事の中でも『津軽三十三ヶ所観音霊場』や『津軽一代様』などの巡礼の名称が出てくる。
札所の意味は、【納札するお寺』の意味。
中世から霊場巡礼の際に、農協の後に『願い事・住所・姓名・年月日』を記した木札を天井や柱に打ち付ける風習があった。
札所に巡礼することを「札を打つ」という風習があった。
元々は札を治める行為だったが、最近では逆に持参した集印帖に参拝記念として【寺名や朱印』を押してもらうようになった。
このことを参考に筆者の地元の【霊場巡り】を見ていこうと思う。

津軽一代様

津軽地方には独自の信仰形態がある。
自身の生まれ年の守り神を本尊とする神社仏閣を信仰すること。
津軽一代様が成立・確立した時期は不明だが、津軽藩二代目藩主である信牧公が、自分の一代様である『八幡大菩薩』を城の鬼門に創建したことから、江戸時代以前からの習慣だと思われている。
子年・千手観音菩薩 : 多賀神社・目屋の清水観音
丑寅年・虚空菩薩  : 求聞寺・百沢の虚空菩薩様
兎年・文殊菩薩   : 金剛山最勝院・最勝院の文殊様
            弘前天満宮・茂森の天満宮
辰巳年・普賢菩薩  : 橋雲寺(愛宕神社)・愛宕様(将軍地蔵)
午年・勢至菩薩   : 白山姫神社・袋の観音様
未申年・大日如来  : 大圓寺・大鰐の大日様
酉年・不動明王   : 国上寺・古懸の御不動様
戌亥年・八幡大菩薩 : 弘前八幡宮・弘前の八幡様

津軽龍神霊場

日本では古来より様々なモノに神聖さを見出し神々が宿るとして崇敬する。
人間の力が及ばない困難に直面すると救済力を頼み、五穀豊穣や諸願成就などの御利益にあやかろうとし、畏敬の念を以って信仰を伝えてきた。
神々の力が宿る場所を【龍穴】という。
津軽の地にも神道・仏教の神々が宿るとされる場所が点在している。
龍穴へと向かう道筋を【龍脈】と呼ぶ。神々のご加護を授かる道。

【全仏山 青龍寺】
本尊  : 大日如来
龍神  : 青瀧権現(せいりゅうごんげん)
住所  : 青森県青森市大字桑原字山崎45

【病厄除守護神 廣田神社】
御祭神 : 
龍神  : 八大龍神宮(はちだいりゅうじんぐう)
住所  : 青森県青森市長島2-13-5

【元城山 照法寺】
本尊  : 聖観世音菩薩
龍神  : 新城白龍大権現(しんじょうはくりゅうだいごんげん)
住所  : 青森県青森市新城字平岡72

【奥州津軽の霊地 猿賀神社】
御祭神 : 水波能女神
龍神  : 閼伽井堂(あかいどう)
住所  : 青森県平川市猿賀石林175

【弘前弁天宮 胸肩神社】
御祭神 : 弁財天、胸肩三女神
龍神  : 胸肩神社
住所  : 青森県弘前市品川町89

【護国山 久渡寺】
本尊  : 聖観世音菩薩
龍神  : 金蛇八大龍神(きんだはちだいりゅうじん)
住所  : 青森県弘前市坂元山元1

【五色山 聖心寺】
本尊  : 大日如来
龍神  : 五色龍権現(ごしきりゅうごんげん)
住所  : 青森県弘前市百沢字東岩木山3056

【高山稲荷神社】
御祭神 : 大海津見神
龍神  : 高山龍神(たかやまりゅうじん)
住所  : 青森県つがる市牛潟町鷲野沢147-1

【春光山 圓覚寺】
本尊  : 十一面観世音菩薩
龍神  : 大愛海龍王(だいあいかいりゅうおう)
住所  : 青森県西津軽郡深浦町大字深浦字浜町275

津軽三十三観音霊場

津軽では神仏習合・本寺垂迹の考えが色濃く残っている。
『神社には神様』『お寺には仏様』という他の地域での考え方とは違い、神社に仏様が祀られたり、お寺に神様が祀られたりという場所が多い。
津軽の風習も変わっているが、そもそも青森には恐山という日本有数の霊山が存在する。それに伴い【イタコ】だけでなく、【カミサマ】【ゴミソ】と呼ばれる巫女も古くから存在している。
神様という目に見えない存在の声を伝えるメッセンジャーのような文化が古来から存在し、崇敬の念だけでなく、神聖な存在が身近に感じられたのが青森県。
明治に入り神仏分離令が発せられたにもかかわらず、国家の命令に背いてでも古来からの観音様を護ろうという強い意思を感じられる。
後継者不足などのより廃寺・入神社になる場所が多くなり、無人の札所も存在する。それも踏まえたうえで『地域皆で護る』という札所も多く存在するのが、津軽三十三観音霊場の特徴ともいえる。
日本では聖地巡りは平安時代から始まったとされるが、津軽の観音巡りはそれ以前と考えられている。
【33】という数字は【観音様は33の姿に変化して人々を救いに来る】とされていることから。

津軽弘法大師二十三ヶ所霊場

津軽は古来より巡礼の風習が根付いた地域だった。津軽弘法大師霊場の巡礼も盛んに行われていた。
津軽の城下である弘前市から始まり、西海岸へと抜けていく。
弘前市・岩木山・五所川原市・青森市・黒石市・平川市と廻り、大鰐・碇ヶ関に至り満願成就となる。
順番通りに巡るもの良し。
個人的には順番どおりは難しい。11番所の弘法寺→12番所の圓覺寺は遠いし難しいかな、と思う。木造町から深浦かぁ。
地道に回るのも良いのだろう。

津軽八十八ヶ所霊場

西国三十三観音霊場を基にしている。
四国八十八ヶ所霊場巡礼の旅をし、仏の慈悲と功徳を津軽の人々にも分け与えたいと考えた大沢内観音堂の庵主の母・田中千代尼僧により、大正14年9月より始まる。
太平洋戦争中は中断されていたが、戦後昭和40円ごろから巡礼の旅が復活していく。
現在は【津軽八十八ヶ所霊場】と呼ばれているが、以前は【津軽観音八十八ヶ所霊場】と呼ばれ、観音菩薩を準拝する霊場だった。
現在の拝み本尊は観音様ではなく、各寺院の御本尊に納経する札所がほとんどのため、次代と共にその形態も変えていき、現在の姿に収まっている。
勿論現在も拝み本尊が観音菩薩の寺院も残っている。

北国八十八ヶ所霊場(青森県は13か所)

・ 青森の札所は57~69番札所まで。
・ 津軽八十八ヶ所霊場の北国バージョン
・ 津軽地方とは違い霊場の範囲が広い

津軽七福神

・ 七福神巡りをすると得られる御利益のことを【七難即滅七福即生(しちなんそくめつしちふくそくしょう)】
・ 七つの何がすぐに消滅し、七つの福がすぐに生まれるという意味
・ 津軽七福神の特徴は、祀っているのは神社ではなくお寺・全て真言宗のお寺。
・ 古来から続く巡礼ではなく、20年ほど前に御寺の住職さんたちによるアイディアによりもの
・ 祀られている七福神は全て木彫り。さらには青森県在住の仏師が約1年で七体全てを一人で彫り上げた

【愛宕山地蔵院】
本尊  : 恵比須天
住所  : 青森県黒石市山形町81

【岩木山求聞寺】
本尊  : 大黒天
住所  : 青森県弘前市大字百沢字寺沢29

【鷹揚山不動寺】
本尊  : 毘沙門天
住所  : 青森県弘前市茂森新町4-3-11

【大峰山蓮正院】
本尊  : 弁財天
住所  : 青森県日田津軽郡板柳町石野字宮本75

【西の高野山弘法寺】
本尊  : 福禄寿
住所  : 青森県つがる市木造吹原屏風山1-244

【行峯山覚應院】
本尊  : 寿老人
住所  : 青森県弘前市大字湯口字一ノ安田95-1

【赤倉山金剛寺】
本尊  : 布袋尊
住所  : 青森県平川市大字八幡崎宮本141

津軽大北斗七星

・ 津軽の北斗七星信仰
・ 桓武天皇の命令を受けた坂上田村麻呂が、平安京から見て『鬼門』にあたる津軽の地に、七つの神社を作る
・ それが北斗七星の形に配列したものと言われている

1大星神社(青森市)
2浪岡八幡宮(青森市)
3猿賀神社(平川市)
4熊野奥照社(弘前市)
5岩木山神社(弘前市)
6鹿島神社(西目屋村)
7乳井神社(弘前市)

東北三十六不動尊霊場(青森県は6か所)

・ 東北六県は六波羅蜜修行の道場。巡礼により幸せの道が開ける
・ 六波羅蜜とは迷いの此岸から悟りの彼岸へと渡る六つの修行のこと
・ 六つの修行とは【布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧】
・ 各県それぞれに六つ、合わせて三十六の札所がある
・ お不動様の分身である三十六童子にお会いすることができる
・ 不動明王は大日如来の願いを表す仏様
・ 青森県は【忍辱】苦難に耐え忍ぶ

【⑬古懸山國上寺】
本尊  : ねまり不動
宗派  : 真言宗智山派
住所  :  青森県平川市碇ヶ関古懸門前1−1

【⑭神岡山大圓寺】
本尊  : 厄除不動尊
宗派  : 高野山真言宗
住所  : 青森県南津軽郡大鰐町蔵館村岡12

【⑮金剛山最勝院】
本尊  : 猫突不動
宗派  : 真言宗智山派
住所  : 青森県弘前市銅屋町63

【⑯高野山弘法寺】
本尊  : 身代わり不動
宗派  : 高野山真言宗
住所  : 青森県つがる市木造吹原1−244

【⑰成田山青森寺】
本尊  : 成田不動尊
宗派  : 真言宗智山派
住所  : 青森県青森市栄町1-4-24

【⑱全仏山青龍寺】
本尊  : 厄除不動
宗派  : 真言宗易行派本山
住所  : 青森県青森市大字桑原字山崎45

まとめ・感想

今回は津軽地方の霊場の紹介がメインだったが、勿論南部地方にも霊場は存在する。
存在するが津軽地方程前面に出していない雰囲気がある。
同じ青森県にも拘らず、そういう文化・風習の違いもあって面白いのではないだろうか。
とりあえずは津軽地方の色々な霊場を巡り、下北や南部の霊場もめぐっていこうと思う。そしてその霊場の記事を分かりやすく上げれるように努力をしていきたい。
守り本尊と七福神は距離的な問題さえ抜かすと、多分霊場巡りの中では割と回れるのではなかろうか?

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