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橋雲寺/………霊場?だよね

マップを確認すると住宅外の真ん中らしい表示。詳しい場所は現地に行ってから確認しようと、車を走らせる。微妙な田舎道を走ると背の高い鳥居が見えてくる。鳥居のすぐ横は住宅のブロック塀。ついた先は…

基本情報

寺院名  : 橋雲寺
宗派   : 真言宗智山派
山号   ; 愛宕山
正式名称 : 愛宕山 橋雲寺
読み方  : あたごさん きょううんじ
住所   : 青森県弘前市愛宕山下63

駐車場  : あり
御朱印  : あり
開山   : 津軽藩主津軽為信が祈願所を勧請
開山年  : 慶長7年(1602)
御本尊  : 勝軍地蔵菩薩
その他  : 津軽弘法大師霊場第8番札所
       津軽一代様・辰巳年生まれ

歴史

津軽藩初代藩主である津軽為信が慶長7年に、浅瀬石の高賀野山に【愛宕大権現】を勧請し、祈願所としたことが始まりとされる。
藩政時代には百石の寺禄を得ていた。藩内では特に重視し、夏の例祭には参詣・代参が常だった。
藩政時代は参詣・代参時には、帰路時に岩木川原で休息し、隊列を整え帰城したという。現在の愛宕神社は休憩所だったとのこと。
弘前から一里半の延宝にあるため、遥拝場所として駒越村で建立したとも言われる。
境内には奥之院をはじめ、稲荷堂・延命地蔵尊堂・天満宮・三十三観世音がある。
当寺の護摩堂は明治14年に、天皇東国行幸の際に、当時本町にあった呉服商の金木屋が青森県経済界の委託を受け、天皇の寝所として建立したものを移築・寄進したものである。
以前の記事に乗せた【弘前天満宮】は、元々この地にあったとされている。

御祭日

旧暦2月24日  : 春季大般若経転読法会
新暦4月24日  : 百万遍数珠魂入れ祈祷法会
旧暦6月23・24日: 夏季大祭
新暦9月24日  : 秋季大般若経転読法会

毎月24日    : 縁日

津軽一代様 辰・巳年について

・ 守り本尊は【普賢菩薩】
・ 仏の理性を示す菩薩
・ 悟りの心の象徴
・ 菩薩の中でも最も賢い存在
・ 慈悲行の究極
・ 延命の徳がある

普賢菩薩について

・ サンスクリット語では【サマンタバドラ】と言い、【あらゆる点で優れている】という意味
・ 仏の持つ優れた実践面の特性を人格化した菩薩
・ 釈尊の向かって右に配置される
・ 法華経において、普賢菩薩勧発品第28に登場する
・ 法華経の修行者を守護する誓いを立てる
・ 真言は《オン・サンマヤ・サトバン》
・ 真言を唱えると、災難を避け、寿命が延びる
・ 6本の牙を持つ白いゾウに騎乗している
・ 6本の牙の理由は『悟りを開くために、取り組む6つの修行』
《6つの修行》
① 布施(ふせ)   : 誰かのために何かをすること
② 持戒(じかい)  : 身の回りをきちんと保つこと
③ 忍辱(にんにく) : 辱めを偲ぶこと
④ 精進(しょうじん): 工夫を凝らして努力すること
⑤ 禅定(ぜんじょう): 物事に集中すること
⑥ 般若(はんにゃ) : ありのままを観て智慧を得ること
《ゾウの足》
・ 四如意足(しにょいそく)を表現している
① 意欲
② 精進
③ 善なる心
④ 内外の観(物事をしっかりと観ること)
《御利益》
・ 幸せを増やす《増益》
・ 寿命を延ばす《延命》
・ 女性守護、修行者守護

御本尊について

・ 勝軍地蔵菩薩
・ しょうぐんじぞうぼさつ
・ 愛宕権現の本地仏
・ 武将たちの守護仏
・ 坂上田村麻呂が東征のときに、戦勝を祈って作ったことから起こったといわれる地蔵菩薩
・ 愛宕山の山岳信仰と、修験道が融合した新仏集合である愛宕権現の仏
・ 鎧・兜を身に付けている
・ 右手には錫杖、左手には如意宝珠
・ 軍馬にまたがっている
・ 参拝すると、戦いに勝ち、宿業・飢饉などを免れるという
・ 一番有名なお地蔵さまは、京都の清水寺につたわる
・ 地蔵菩薩が武装して軍陣に現れた者
・ 勝軍地蔵菩薩尊は弘法大師の作
・ そのお姿と御利益より、戦国武将に人気があった
《御利益》
延命、開運、勝利

境内の様子

【山門・愛宕神社階段下】
・ 特徴から【薬医門】かと
・ 本柱と控柱を結ぶ仮の中間の上に束をのせている
・ 全体的に歪んでいて、屋根の貫(?)部分も落ちている

【山門・愛宕山神社(護摩堂)前】
・ 下の門とは違い【四脚門】
・ 神社側から見ると立派な重厚で歴史を感じさせるもんに見えるが…
・ 額にあるはずの【愛宕山】は破れ落ちている
・ 親柱に掲げられた弘法大師霊場の特徴を表す草履が存在感を出している
・ 山門前には狛犬ではなく四肢を固定された【ウマ】
・ 数年後には屋根も落ちる、なんてことになって欲しくない

【鐘楼】
・ こじんまりとしている
・ 境内の中で、色剥げはあるものの、しっかりと存在している

【手水舎】
・ だったのだろうか?
・ 水は枯れている
・ 屋根の一部がすでに崩壊していた

【南無大師遍照金剛】
・ 銅像が鎮座
・ かろうじてのぼりで分かる状態

【狛馬?】
・ 愛宕山神社裏手の階段の前に鎮座されている
・ 狛犬の様に両脇に存在
・ 片足を挙げた姿勢で躍動感を感じさせる

【愛宕山神社】
階層   : 平屋建て
材質   : 木造
建築様式 : 妻入り
屋根の特徴: 入母屋造(?) 
木鼻   : 雲のような形状
その他  : 破風の下に懸魚がある
・ 手水舎のように屋根などの崩壊はそこまでひどくない状態
・ 拝殿内に続く階段は一段目が一部穴が開いているけど…
・ 額に薄くではあるが【愛宕山】の字が見える
・ 御社殿の拝殿上の額の字は見やすい。【愛宕山】【愛宕山神社】が記されている
・ 鬱蒼とした中に佇む姿
・ 拝殿内は外と違い整理されている
・ 神前は綺麗にされていた

【橋雲寺本堂】
階層   : 平屋建て
材質   : 木造
建築様式 : 平入り
屋根の特徴: 神社同様に入母屋造
屋根の材質: 鉄板葺か
木鼻   : ゾウ
・ 本堂前・参道の両脇は草木で生い茂っている
・ 参道と本堂前は綺麗にされている
・ 人の気配は感じられなかった
・ 神社と違い崩れている状態は目に入らない
・ 額には味のある字体で【橋雲寺】
・ 隣の住宅から御朱印をお願いすると御本堂内へ入れる
・ 堂内は静かで人の出入りがあまりないように感じられた
・ 部屋の一角が【内陣】と【外陣】に分け隔てられている
・ 豪華絢爛さはなく、質素な造り
・ 内陣は神聖な場所なのだが、物であふれている

【その他】
・ 燈籠には灯がともっていた
・ 写真の撮り方もあるが、どこか寂し気な感じがした
・ 最初の山門の前の下り坂を下がると鳥居がある
・ 特徴から【両部鳥居】
・ 寺院とは違い此方は新しめ
・ 写真を撮っている際に近所のおばあさんが、最近新しくしたとか
・ 坂道は堪えるなどのことを話されていた

御朱印について

・ あり
・ 御本堂隣の住宅からお願いできる

まとめ・感想

津軽弘法大師霊場の一つだが、少々場所がわかりにくい。春~秋ならば車で行くことが可能だが、冬場は遠慮したい。全国屈指の豪雪地帯でもある弘前市の雪道の運転何て…さらに、寺院に到着するまでに急な坂道をクリアしなければいけない。冬以外ならば問題はないだろう。また高い場所に鎮座されているので、眺めもそれなりに良い。
何だか俗世から隔絶している雰囲気を醸し出している。

同じく弘前市内にある高照神社同様に、寺院の一部が崩壊しつつある。寺院手前の山門は、形は残っているが山門としての機能は殆どなしていないだろう。
また寺院手前の山門の額は崩れている。両脇の草鞋は形を残しているが…。
明治14年に天皇東国行幸に際して、天皇の寝床として建立したものを移築したという記録も残る、由緒のある寺院。それにしては寂しい感じがしてしまう。
様々な寺院を見てきたが、無人の場所もあれば、管理が行き届いていない場所もある。地域の方々により支えられてきた場所もあるかもしれない。
人の手が入らない場所は朽ちるスピードも速くなってしまう。津軽地方に興味がある方が参拝してくださることを、南部地方から願っている。
歴史や立ち位置が立派なだけに、施設の状態が改善され、後世に引き継がれていって欲しい。

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