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なるほど。これが古刹というやつか…

基本情報

寺院名  : 円覚寺
山号   : 春光山
宗派   : 真言宗醍醐派
正式名称 : 春光山 圓覺寺
住所   : 青森県西津軽郡深浦町深浦浜町275
御朱印  : あり
御本尊  : 十一面観世音菩薩
開創年  : 807年
開基   : 円覚法印
通称   : ちょんまげの寺
その他  : 津軽弘法大師霊場第十二番札所
       津軽三十三観音霊場第十番札所
       津軽三十三観音霊場第九番朱印所

歴史

始まりは征夷代将軍坂上田村麻呂が、厩戸皇子作成の十一面観世音菩薩を安置し、観音堂を建立したことから。
このときに兜の中に納めていたと伝えられる、【影顕石守仏(えいけんいしまもりほとけ)が現在も保存されている。
貞観10年(868)に、泰澄大徳の弟子で浄定行者の末弟の円覚法印が、修験道を奉じて諸国の霊山を遍歴し、この地にて観音堂を再興する。
江戸時代までは加持祈祷を行う山伏寺。
津軽三十三ヶ所観音霊場第九番札所の見入山観音堂は当寺の修行道場。
明治5年に、修験宗廃宗に伴い真言宗醍醐派となり現在に至っている。
元々が『祈祷寺』ということもあり、お葬式をするお寺ではない。そのためお寺と言う施設だが檀家は一軒もない。
檀家はないが、時代ごとの豪族の庇護を受けてきた。
平泉の鎮守府将軍・藤原基衡公。室町時代には葛西木庭袋伊予守頼清が堂宇を再建。
頼清の寄進で現在も残る薬師堂内厨子は、青森県内最古の建造物にして、国指定重要文化財に登録されている。
江戸時代には津軽藩の祈祷所となり、藩祖津軽為信公が黄金の大日如来尊像を寄進。歴代の藩主も帰依篤く、堂宇の建立・修繕をしている。
江戸時代に津軽藩の庇護の他に、北前船などの商人・船乗りの信仰を集めた折田だった。
北前航路の寄港地で、澗口観音(まぐちかんのん)と呼ばれていた。港の入り口に遭って航海安全・商売繁盛を守護する観音様で、船頭・水主たちに崇敬された。
この時代は後悔中に嵐に遭遇すると帆を降ろす・積み荷を捨てるなどの対処をしていた。それでも助からない時は船乗りたちは自分たちの髷を切り落とし、神仏に祈願した。
その後に助かった船乗りたちは、切り落とした髷を奉納していた。

圓覺寺の文化財

【国重要文化財】
・ 薬師堂内厨子

【国重要有形民俗文化財】
・ 圓覺寺奉納海上信仰資料(船絵馬・髷額)

【県重宝】
・ 鰐口
・ 絹本著色聖堂僧正像
・ 宝篋印塔

【日本遺産】
・ 毛髪刺繍の掛け軸
・ 北国船・北前船絵馬
・ 髷額

【文化財】
・ 懸け仏 六体
・ 正和年中の経文
・ 朝鮮・中国の伝来青磁茶碗
・ 天正年間の当地元城城主千葉弾正愛用の茶臼
・ 慶長三年の鎮子
・ 高田屋嘉兵衛の遺物と弟・金兵衛の祈願依頼状
・ 北前船が運んだ古伊万里と九谷焼の陶磁器数十点
・ 北前船が運んだ蝦夷錦と青玉数珠
・ 当寺二十六世義観阿闍梨の偉業

境内内に祀られている神様・仏様・菩薩様

・ 薬師如来
・ 金毘羅大権現
・ 稲荷大明神
・ 大愛海龍王
・ 不動明王
・ 地蔵菩薩

御利益

・ 十一面観音     : 交通安全・心願成就
・ 薬師如来      : 病気平癒
・ 金毘羅大権現    : 海上安全・大漁満足
・ 稲荷大明神     : 五穀豊穣・商売繁盛
・ 樹齢1200年のご神木 : 災難除け・長寿
・ 鐘石        : 金運成満
・ 地蔵菩薩      : 子供を護る
・ 青面金剛      : 健康長寿・交通安全

境内の様子

【楼門】
・ 大きく存在感もだが、歴史や風格が感じられる。
・ 左右に金剛様
・ 屋根の上に鯱がいるが、色が特徴的?
・ 楼門天上の龍神様も素晴らしい。
・ そして意味などは分からないが、梵字もすごいなぁ。

【御本堂(観音堂)】
・ 大正9年に建立とのこと。
・ 材料の木材の一部は江戸時代の建物の材料を再利用しているとのこと。
・ 津軽藩二代目藩主・津軽信牧公時代の柱が使われているとのこと。
・ 400年ほど前の歴史を感じられるのか…。
・ 蟇股には『波』のような彫刻。船乗りたちにも崇敬されていたからかな?
・ 木鼻にはゾウ。

【金毘羅堂・鎮守稲荷堂】
・ 弁財天様ののぼり。
・ 御本堂から続いて見に行ける。
・ 天保7年(1836)に建立とのこと。
・ 天保と言えば大飢饉の時代。その期間に建てられたとのこと。
・ 飢饉の終了とこれからの五穀豊穣を願っていたのか?

【お地蔵様】
・ 御寺の方にお聞きすると、季節や時期によって被っているものが変わるとのこと。
・ 季節によって違うということは、それ込みでも見に行くのも楽しそう。

境内には上記の他にも見どころがたくさんあったというのを知るのは帰宅後。
情報大事ね。

御朱印について

あり。梵字。
種類は6種類あるとのこと。
⑥の御朱印は見入山観音堂の御朱印とのこと。

まとめ・感想

坂上田村麻呂が安置したと伝えられる御本尊は三十三年目ごとに御開帳しているという。次回は2051年7月17日だという。見るためには長生きしないと…。
見どころは沢山あるが今回の参詣ではゆったりと時間が取れなかった。次回(春だなぁ)は時間をかけて境内を見て回り、寺宝も見学したいと思う。
近くに海があるためか参詣時にも潮の匂いを感じられた。青森県は散歩を海に囲まれた土地なため、様々な地方で『海』に関係する神社や寺院がある。
観音巡りや七福神巡りだけでなく、こういった『何か』関連の神社・寺院巡りも面白いと感じた。
北前船かぁ…。どんな船で廻っていたのだろうかと考えて駐車場に向かっていたところ、どういうものかが良くわかるものが目に飛び込んだ。

きっとこういう船を使用していたのだろう。船の一部だったが、これだけでも迫力がある。
青森市内には北前船関係の資料館があるという。一度訪問するのも面白そう。

筆者は参詣時に観音巡りのことも弘法大師霊場のことも知らずに訪問している。そのためその時のインスピレーションと見た目のみで御朱印を選んでいる。
訪問時は事前知識や情報は大事、と言うことをこの記事を作成時にしみじみと感じ反省している。

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