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金木八幡宮/憎まれて憎まれて強くなる。

基本情報

神社名 : 金木八幡宮
読み方 : かなぎはちまんぐう
住所  : 青森県五所川原市金木町朝日山192-8
御朱印 : あり
創建年 : 大永年中(1522~1529年)
創建者 : 浪岡城主・北畠具永郷
その他 : 太宰治生家『斜陽館』西側

歴史

喜良市(現在の青森県五所川原市金木町)別当の森(原野ほぼ中央南の高台)に鎮座していた。
天正年間(1573~1591年)に、津軽藩祖為信が『怨敵退散の祈願』と仰ぎ付けられた歴史を持つ。
その後も、歴代の藩主の御巡国の折りには直接拝まれた。
御紋付の幕・燈籠など奉納させられた由緒正しい神社。
北側(裏側)から参拝したという藩主が居たという言い伝えがある。これにより、神社正面・裏面共に鳥居がある珍しい造りとなっている。

安永3年(1774)  : 金木組二十四ヶ村の鎮守社に指定される
明治6年(1873)  : 郷社に列せられる
明治38年(1905)  : 金木大火の際に、悉くが類焼
明治40年(1907)  : 神饌幣帛、指定神社に列格
明治41年(1908)  : 拝殿再建
明治42年(1909)  : 本殿再建
昭和59年(1984)  : 鎮座450年祭執行
平成20年(2008)  : 社殿再興100年祭執行

御祭神

主祭神 : 譽田別命(第十五代応神天皇)

境内社 : 天満宮 ・ 菅原道真公

御神徳

譽田別命 : 文武の神
国家鎮護、殖産興業、勝運招来

菅原道真公: 学問の神
学業成就、受験合格、病気平癒

御祭日

1月1日  : 元旦祭
1月7日  : どんと祭(古神札御焚き上げ)
4月8日  : 祈年祭(春祭)
6月18日  : 例祭(大祭)
旧暦6月1日: 宵宮祭(茅の輪くぐり神事)(津軽神楽奉納)
11月23日 : 新嘗祭(新穀感謝祭)

津軽神楽とは?

始まりは津軽藩主四代目・信政公が没し弘前市の高照神社に祀られた。
堰神宮の神主が信政公の神意に叶うような神楽を奉納すれば神道宣揚の一助になり、地方文化の発展に寄与できるという考えから。
神楽の構成は。江戸歌舞伎・能舞・手踊りなどの振る舞いを組み合わせた絢爛優雅で変化に富んでいる。
現在11種類の舞楽を残している。

境内の様子

【入口・一の鳥居】
笠木  : 水平
島木  : なし
木鼻  : あり
額束  : あり
柱   : 株に台座有り
その他 : 柱と木鼻の留の部分、楔あり
・ 鳥居の特徴から神明系鳥居の中でも、【宗忠鳥居】だと思われる。
・ 多くの神社を見てきたが、この鳥居は初めて見た。
・ 神明系鳥居は笠木に反り増しがなく、笠木が無いシンプルな造りの鳥居。

【二の鳥居】
笠木  : 水平
島木  : なし
木鼻  : あり
楔   : あり
額束  : あり
その他 : 笠木の断面が斜め・貫が笠木よりも短い
・ 一の鳥居同様に神明系の宗忠鳥居
・ 一の鳥居よりも細目の鳥居

【三・四の鳥居】
笠木  : 反り増しあり
島木  : あり・反り増しあり
木鼻  : あり
楔   : あり
額束  : あり
その他 : 柱の上部に台輪が付いている
・ 特徴から明神系鳥居の発展形の【台輪鳥居】
・ 三・四ともに同じような造りをしている

【本殿前の鳥居】
笠木  : 水平
島木  : あり・水平
木鼻  : あり
楔   : あり
額束  : あり
その他 : 笠木が島木よりも出ている
特徴頼明神系鳥居の【八幡鳥居】と思われる
笠木だけでなく島木がその下にあるのが特徴
最もポピュラーな鳥居の形状が、明神系鳥居

【三・四の鳥居の間にいた鳩】
・ 石造りの狛犬のような鳩
・ 手ぬぐいをほっかむり
【ハト】
・ 街中で見かけるハトをドバトと言い、『堂鳩』と書く
・ 平安末期から自社の境内に群棲していた
・ 八幡様(応神天皇)の遣い。八幡宮では霊鳥
・ 白ハトは平和の象徴
・ 武士からの信仰を集めた軍神の遣い
御利益  : 厄除・戦勝祈願・交通安全

【狛犬】
髪・眉 : 前髪カール・眉は太い何かが見える
口・歯 : 唇がわかる。歯は三角で牙もある
髯   : 顎髭がある
目・鼻 : 楕円形の瞳。大きい獅子鼻
毛・尾 : 体に張り付いた毛並み。尾は立ち尾
手足  : がっしりした手足。丸みを帯びている
姿勢  : 背中が少し丸まったお座り
・ 鳩同様にほっかむりをしている
・ 目線が少し上

【ウマ】
・ 首には鈴が掛けられている
・ 神の乗り物で、神様に願いを届ける役割がある
・ 降雨・止雨を願う際に神馬が献上されていた
・ 古代は神馬を献上していたが、平安時代になると土や木でできた馬を献上
・ 時代がさらに進むと簡略したものとして、『絵馬』が奉納されるようになる
・ 五穀豊穣、降雨・止雨祈願、諸願成就

【摂社・末社】
・ 天満宮
・ 学問の神として菅原道真公をはつっている
・ 簡素な造りの社殿

【社殿】
・ 木鼻は獅子
・ 唐破風拝飾はあれる海を進む龍神様
・ 蟇股には縄を編む翁と、植物らしきものを持つ老婆が彫られている
・ 注連縄を編んでいる風景か?
・ 入母屋造の八幡造のように見える
・ 全体的にシュッとしており、大きくはない
・ 本殿は風雨だけでなく、厳しい冬の寒波や雪から守られている様子

御朱印について

あり。
拝殿入り口のドアに、神主さんの電話番号が掲示されている。御朱印・お守りなどをお求めの際には、そこに電話を掛けると近くに住む神主さんが来訪してくださる。

まとめ・感想

太宰治の故郷である金木町に鎮座している神社。
太宰の出生地である斜陽館の近くにある。斜陽館の向いには津軽三味線を聞くことができる会場があるため、参拝中もどこからともなく三味線の音が聞こえる場所。
三味線の音は五月蠅くなく、俗世とは違う世界である境内の雰囲気を一掃神聖なものに格上げしているように思えてくる音色を奏でている。
幼い頃太宰もこの神社の境内で遊んでいたのではないか、と思うと感慨深いものを感じてしまう。
歴史を紐解くと、江戸時代~明治初期にかけて寺子屋として機能し、太宰が通っていた金木尋常第一小学校の基になった場所とも言われている。
猶更太宰にとっても思い出深い場所だったのではないだろうか?

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