近場や穴場の神社紹介。地元の紹介。

  1. ホーム
  2. 御朱印
  3. 津軽赤倉山神社/津軽地方各地にみられる『赤倉

津軽赤倉山神社/津軽地方各地にみられる『赤倉

青森の津軽地方に点在する霊場・赤倉。
赤倉信仰・赤倉霊場の一つでもある神社を訪問。
恐山のイタコとはまた違った存在感の巫者とは?

基本情報

神社名  : 津軽赤倉山神社
読み方  : つがるあかくらやまじんじゃ
住所   : 青森県つがる市稲垣町繁田若竹62

御朱印  : あり
建立年  : 大同2年(807)
創立者  : 坂上田村磨
その他  : 奥宮は岩木山庵の赤倉霊場

歴史

神代の太古の時代に、高天原より【津軽赤倉山大神】は霊峰・赤倉山に降臨し鎮座される。
大同2年に征夷代将軍である坂上田村磨が勅命により、蝦夷征伐の軍を進め、津軽深浦港に上陸。
上陸後に蝦夷軍を追って赤倉山に入るが、山深く険しく苦戦する。これまでと思ったが、津軽赤倉山大神が現れそのお告げにより、勝ち戦となり蝦夷を平定する。
帰郷後に平城天皇に奏上し、勅命を持って赤倉山に社殿を創建した。
その後は時の領主・領民に信仰されていく。
諸願成就の守護神として、津軽のみならずに県外の崇敬者からも篤い信仰を集める。

御祭日

5月1日   : 山開き(注連縄奉納祭)
7月下旬   : 夏季大祭
6月中旬   : 大平山参拝
8月中旬   : 八甲田山参拝
9月下旬   : 仏の供養
10月下旬  : 秋季大祭
12月中旬  : 山の神年越祭

御祭神

・ 津軽赤倉山大神
・ 赤倉龍神

御利益

家内安全、身体堅固、病気平癒、交通安全、商売繁盛、災難消滅、海上安全、社運隆昌、事業繁栄、厄難消除 等

御祭神について

【津軽赤倉山大神】
・ 白髪の老人らしい?
・ 日本の神話に出てくる神々は男神が多いが、こちらは縁起や歴史を調べると【女神】だったのではないかと思われている
・ 神と言っても鬼神の色が強い
・ 赤倉の麓にある【鬼神社】に伝わる伝説で、弥十郎や坂上田村麻呂と交流した鬼が女性
・ 『出雲大神の第五王女で、父親の命により鬼門の地である赤倉に住んでいること。人々の心が乱れているからそう乱が起こる事』を田村麻呂に伝えているとか
・ 縁起や伝説によっては、女神が坂上田村麻呂を助ける話と、討伐される対象としての話の両方が伝わる

【赤倉龍神】
・ 厳鬼山神社拝殿内には龍神様が描かれた絵馬が奉納されている
・ 同境内にある末社の龍神社には、その御神体が祀られている
・ 龍神様の背には女神が乗せられている
・ 赤倉大神なのか?

赤倉山について

・ 岩木山は別名津軽富士と呼ばれる。【岩木山・鳥海山・厳鬼山(岩鬼山)】の3つの峰からなる
【厳鬼山】は別名【赤倉山】と言われる
・ 赤倉山を御神体として崇めたのが【赤倉信仰】
・ その信仰は岩木山の北東にいくつか存在する
・ 【赤倉山】の由来は『岩鬼山の北東斜面には、太陽に照り映える赤肌の断崖』があるからだという
・ 赤倉信仰の神社は、神社庁公認の神社ではない
・ 【岩木山は北門鎮護】・【高照神社は津軽家の守り】・【民衆の拠り所に赤倉信仰】

赤倉霊場について

・ 『カミサマ』達が集う聖地
・ カミサマやゴミソと呼ばれる巫者たちの聖地とされる

《イタコとカミサマの違い》
【イタコ】
・ 民間巫者
・ 死者の口寄せ
・ 目が不自由な人が多いイメージ
・ 徒弟制度が明確化している
・ 職務的に生業としている集団

【カミサマ】
・ 同じく民間巫者
・ 天啓のように、神様からのメッセージを宣託する
・ おがみ屋さんに近い存在
・ 自身の天啓に沿った、自発的に信仰の道を究めようとしている人たちが多い
・ 一代限りが多いイメージ

赤倉霊場とカミサマについて

・ 赤倉はカミサマの聖地であって、教団ではない
・ カミサマばかりの街・カミサマのための街
・ あくまでもカミサマの修行の場であって、観光地ではない
・ 民間信仰の聖地ともいえる場所
・ 仏教と神道が混合している様な不思議な空間
・ 赤倉山神社の開祖は工藤むら氏
・ 形式的に神道を採用している
・ 山岳信仰がベースとなっている
・ カミサマの聖地(山奥)には28のお堂があるとのこと。ある意味ではポツンとした霊場?
・ 現在も信者の方々が生活しているとのこと。一度聖地の方にも足を運んでみたい

境内の様子

【鳥居】
笠木  : 反り増しあり
島木  : あり・反り増しあり
木鼻  : あり
楔   : あり
額束  : あり
その他 : よく見かける
・ 最もポピュラーで、全国に広く見られる鳥居
・ 明神系鳥居の【明神鳥居】
・ 逆光だが朱い

【狛犬】
髪・眉 : 前髪カールして眉が隠れている
口・歯 : 口腔内は紅。唖形から四角い歯が生えている。吽形からは上部に2本の牙が見える
髯   : 顎下・口周りにカールした髯がのびている
耳   : 上向きに立った耳
目・鼻 : 楕円形の釣り目。瞳は黒い。獅子鼻で目立つ
毛・尾 : 風に靡くような立ち尾。身体に張り付いた毛並みをしている
手足  : 手足は大きく力強い感じがする
姿勢  : 背を伸ばしたお座り姿勢
・ 吽形の足元には正面(鳥居側)を向いた子供の獅子。唖形型の足元には赤い毬
・ 目力が強い
・ 威風堂々としたたたずまい
・ 以前書いた蕪島神社の狛犬に似ている気がする

【燈籠】
・ 狛犬の隣にあった
・ 白く大きい
・ 屋根の上には白い玉のようなものがのっている

【境内の周りにある石碑たち】
・ 天照大御神の石碑
・ 弘法大師の石像
・ 不動明王の石像
・ 【繁田むすび会】と刻まれた石像
・ 繁田むすび会の石像は、赤倉霊場の御祭神?

【カエル】
・ 交通安全の御利益
・ 無事カエル
・ 以前参拝した熊野奥照神社さんにも居った
・ 猿田彦大神の遣いとして、神々を道案内したことから『交通安全の守護神』
・ 御利益は交通安全・金運向上・招福など

【ウマ】
・ 大地を駆ける馬の石像
・ 神紋が鐙についている
・ 足元に玉
・ 古来から日本では生贄として馬を神にささげていたが、それが時代が進み・簡略化したことから『絵馬』が誕生する
・ 止雨・祈雨の願いを込められて生贄として神にささげられたのがウマ
・ 他にも五穀豊穣・諸願成就などの御利益がある
・ 神の願いを届ける神の遣い

【御社殿】
階層   : 平屋建て
材質   : 木造・トタン
建築様式 : 平入
屋根の特徴: 入母屋造
屋根の材質: 銅板葺
宮彫り  : あり・獅子
木鼻   : あり・雲?
・ 新しい目の建造物
・ 正面に千鳥破風
・ 拝懸魚あり。桁隠は見られない
・ 屋根には千木と鰹木がある
・ 立地的に若干下がった場所に建つが、鳥居・狛犬に勝るとも劣らないほどの存在感を放っている雰囲気
・ 華美な装飾は無いものの、貫・木鼻・蟇股に立派な彫刻が入っている

御朱印について

・ あり
・ 種類豊富
・ 月替わり御朱印もあり
・ 御朱印帳もあり

まとめ・感想

青森で霊場と言えば恐山や岩木山、八甲田があるが、まさか赤倉山なる霊場もあるのだなぁ、レベルで参拝していた。
調べれば調べるほど、【カミサマ】やら【ゴミソ】やら、県内に住んでいれば一度は聞いたことのある単語が散りばめられていた。昔からの疑問が一つ解決して嬉しかったのは最初だけで、後はそれらについての興味の方が勝っていた。
津軽地方には【赤倉】がつく神社・寺院が数多く点在する。それらは民間信仰の赤倉霊場と関係がある聖地だったのだろう。何も知らずに参拝・訪問してしまい申し訳が無かった。
知識を取り入れて再訪することで、また違う面に気が付けるのだろうか?
県内に長く住んでいたが、青森にはまだまだディープな世界があるのだな、と感心する。他にも平内の大和山も有名か?
知らない世界の探索も面白いものだなぁ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA