近場や穴場の神社紹介。地元の紹介。

  1. ホーム
  2. 寺院
  3. 【達谷窟毘沙門堂】窟屋の中も良いけど、それを支える柱も凄いよ

【達谷窟毘沙門堂】窟屋の中も良いけど、それを支える柱も凄いよ

寺社名 : 達谷窟毘沙門堂
住所  : 岩手県西磐井郡平泉町平泉字北澤16番地
御朱印 : あり
宗派  : 天台宗
別當  : 達谷西光寺
創建年 : 延暦20年(801)
創建者 : 坂上田村磨
開基  : 奥眞上人
秘佛  : 慈覚大師作(御本尊・吉祥天・善賦子童子)

縁起

 約1200年前に蝦夷がこの窟に居を構える。そしてその近隣で略奪を繰り返し、そこに住む良民を苦しめていた。
その勢いは国府も抑えることは出来なかった。
桓武天皇は蝦夷討伐のために、征夷代将軍・坂上田村磨に勅命を出す。
これに対しての蝦夷の王たちは3000余りの兵を率いて駿河国清美関まで進行していた。
大将軍が京を出ると、蝦夷たちはその武威に恐れ、窟屋に引き返し守りを固めてしまう。
延暦20年に激戦の末に大将軍は蝦夷を降し平定した。
戦に勝ったのは毘沙門天の加護と感じ、その御霊への祈願所として窟毘沙門堂と名付けた。
翌年には達谷西光寺を創建する。
前九年・後三年の役には、源頼義・義家が戦勝祈願のために寺領を寄進。
奥州藤原氏初代清衡・二代目基衡は七堂伽藍を建立したと伝わる。
文治5年(1189)に奥州合戦時に源頼朝が毘沙門堂に参詣。このことは『吾妻鏡』に記載されている。
延徳年(1490)に大火で焼失するが、直ぐに再建。
天正年間の兵火により、毘沙門堂を除き焼失。
慶長20年(1615)に伊達政宗により立て直される。
昭和21年には隣家から出火。御本尊以下数体は救い出されたが、毘沙門堂は全焼。
昭和36年に再建された。現在のお堂は五代目。
秘佛があり、次の御開帳は令和24年。

神事

例大祭  毎月3日
大祭   春秋
修正會  正月元旦~8日
⇒慈覚大師から恵海大和尚が伝える、千年余りもの間続いている。

境内の施設

【顔面大佛】
別称 : 北限の磨崖佛
毘沙門堂から西にあり、約33mに及ぶ大岩壁に刻まれている。
前九年後三年の役で亡くなった敵味方双方の諸霊を供養するためのもの。
伝説では源義家が馬上から弓張で彫り付けたという。

【蝦蟇ヶ池辨天堂】
・ 辨天様
守り本尊 : 巳年
御利益  : 金運商売の神(薬師・辨天には銭上げて拝め)
       知恵の神、技藝の神
御使い  : 蛇
満面の水で満たされた北上川などを美しい浮島が往来しているのを見た慈覚大師。
その浮島は、五色の蝦蟇の姿で貧乏をもたらす神が化けているのを見破る。
大師はその浮島を捉えて毘沙門堂の前まで引いていく。その化け物が逃げないように、一間四面のお堂尾を建立する。
その蝦蟇を見張るための神の御使いとして白蛇と、辨天様をお堂に刻み込む。
そしてそのお堂を蝦蟇ヶ池辨天堂と名付けた。

【姫待不動堂】
守り本尊 : 酉年
御本尊  : 姫待不動尊
蝦夷の王の一人である悪路王は今日からさらってきた姫君を窟上流の『籠姫』に閉じ込めた。
そこから逃げようとした姫君を待ち伏せにした瀧を『姫待瀧』と呼ぶように。
二度と姫が逃げないように脅しとして、姫君の髪を切り、その髪を掛けた石を『鬘石』と言うようになる。
智証大師が西光寺の飛地境内である姫待瀧の本尊として不動尊を祀っていた。
これを再建したのが藤原基衡。

【毘沙門堂】
※縁起に詳細。
守り本尊 : 寅年
御利益  : 悪鬼を降し福を招く
       毘沙門天を祀ることから必勝祈願
       財宝、官位、智慧、寿命、縁結び、子宝、学業成就

御朱印

御朱印有り。
力強い達筆。

感想・まとめ

毘沙門堂を目の当たりにすると、本当に窟の中に御堂が建っている。
御堂を立てるためにくり貫いたとかではなく、『窟屋』の中にある。

岩の中に入っていくような感覚に近いだろう。
そしてそんなお堂を支える柱の骨組みも、どことなく京都の清水寺のように見える。こんな窟屋のお堂をよくも五度も再建したなぁ、と感心する。それだけ近隣から篤い信仰があったのだろう。

顔面大佛だが、地震や風雨にさらされていることにより、その様相は次第に失われてきている。
筆者が参拝したときには、上部の写真の様に、かろうじてその凹凸を確認できたくらいだった。しかもカメラの拡大機能を使ってもアレだけしか確認できなかった。
困難かもしれないが、何かしらの方法で大佛を保存してほしいと思う。
辨天堂を参拝した際に辨天様について、
【仲が良い男女で参詣してはいけない。縁結びを願うと縁が切れる】
とあった。
そこは大丈夫だろう。筆者は独り!
大体は金運に関するお願いしかしていない。
それに大体参拝時にはお願いもだが、無事に到着したことを感謝している。そんなに多くのことは流石にお願いできない…。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA