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山王坊日吉神社/これは霊場だわ

青森県内では珍しい三王鳥居の神社。どういうところなんだろう?

基本情報

神社名  : 山王坊日吉神社 
住所   : 青森県五所川原市相内岩井84

御朱印  : なし
建立年  : 14~15世紀中ごろか?
創立者  : 安東氏の庇護下にあった
その他  : 安東氏の菩提寺として開山か?

歴史

山王坊日吉神社は滋賀県大津市にある日枝大社の末社。
山王坊川が流れる山間の奥まった谷間に日吉神社が勧請されている。この一帯は『山王坊』とも呼ばれ、山林に囲まれた境内地は古来より霊地として地域住民に畏敬の対象とされ、大切に守られてきた。
【安東氏に関する日吉神社の地】【『十三往来』に記載される阿吽寺跡の地】【南部氏によって焼き討ちされた地】といった伝来が語られてきた。
一体からは南北朝~室町時代の五輪塔・宝篋印塔・板碑などの石造物が多く出土しており、『十三千坊』の中心地と考えられてきた。
昭和57~平成元年の調査では、最奥にある丘陵中腹から奥院と考えられる方形配石墓や幣・拝殿跡、大石段が一直線上に配置されて発見された。
兵站力は南北一列に並ぶ拝殿・渡廊・舞台・中門・瑞垣・本殿跡といった社殿跡として復元可能な礎石建物跡が発見された。
平成18~21年の調査では、西側丘陵の山際から新たに三棟の礎石建物跡が発見。そのうち一棟が南側を正面とする入母屋造か寄棟造で仏堂などの仏教的色彩の強い建物跡である事が分かった。最大の特徴は、流水に跨って建てられていることであり、自然の流れを利用した庭園を伴っていた可能性が考えられる。
十三湊安藤氏の盛衰と一致する。14世紀中ごろから15世紀中ごろに繁栄を極めた神仏習合を如実に示す貴重な宗教遺跡。

御朱印について

・ なし
・ 確認できず

御祭日

・ 不明
・ 一般的に日吉神社系統の神社での例祭は4月13日
・ 参拝時に整備されていたお爺さんから「御田植祭が明日ある」とお聞きする
・ 次の日十二湖の青池に行く途中で立ち寄った食堂で、「お田植祭」のチラシを目にする
・ 5月17日、とのこと

御祭神

・ 大山咋命

御祭神の神格と御利益

【大山咋命】
・ おおやまくいのかみ
・ 日吉(日枝)神社や松尾大社の祭神
・ 大山に杭を打つ神
・ 大きなヤマの所有者を意味する、山の地主神
・ 農耕をつかさどる神
・ 始まりは浮田明神の伝承による
・ 湖水であった丹波国一帯をオオヤマクイ神が切り開いて国土にしたことから、それに感謝して祠を建てて祀ったことから
・ この伝承から国土開発の神としてイメージされる
・ 御神体は鍬と言われる
・ 農耕振興の守護神として崇められる
・ 5・6世紀ごろに大陸より渡ってきた秦氏は山城国や丹波国を開拓。農耕生産を興、し松尾山の神を一族の総氏神として祀った
・ これによりオオヤマクイ神が松尾大社の祭神で秦氏の総氏神
・ 比叡山の山の神
・ 延暦寺の鎮護神
・ 最澄が比叡山の山頂に延暦寺を創建。古来より山の神として鎮座されてきたオオヤマクイ神を寺の鎮護神とした
・ 元々は比叡山周辺地域の人々が信仰する山の神だった
・ 最澄の広めた天台宗と結びつきにより、布教とともに全国に広がる
《神格》
比叡山の地主神、天台宗の御法神、農耕振興の神、醸造の神
《御利益》
農業守護、醸造守護、厄除け、家系繁栄

山王坊日吉神社近くの観光地など

【十三湖】
・ 一番有名な場所で十三湖
・ 蜆が有名
・ 道の駅『十三湖高原』も近くにある
・ 汽水湖
・ シジミラーメンも良いけど、シンプルに味噌汁がおいしい
・ 元々は【十三湊】と呼ばれ、中世の北東北最大の貿易港
・ 12~15世紀に栄える
・ 安藤氏が支配していた時代は日本海交易の拠点
・ 様々な陶磁器や建造物跡地が出土。中世における国際交流の地
・ 経済だけでなく、山王坊日吉神社が近くにあったことから、宗教や政治の中心地でもあった

【十三湊の衰退について】
《主な要因》
・ 安藤氏の没落
・ 13~14世紀にかけてきた日本一帯を支配していたが、南部氏との抗争や内紛で次第に力がそがれていく
・ 15世紀半ばには、安藤氏は津軽からも追われて道南へ
・ 政治だけでなく軍事的な支配力を失う
・ 岩木川の度重なる氾濫により土砂が港に堆積し、船の出入れが困難になったと考えられる
・ 実際に考古学的調査で、15世紀以降尾は泥で埋まり浅瀬化したとわかっている
・ 大地震や津波の影響もあったとか
・ 経済的要因として、交易ルートの変化があげられる
・ 十三湖以外なら山王坊日吉神社近くに、津軽三十三観音巡り霊場の一つの春日内観音堂がある

境内の様子

【一・二の鳥居】
笠木  : 反り増しあり
島木  : あり・反り増しあり
木鼻  : あり
楔   : あり
額束  : あり
その他 : 笠木の上に三角形の装飾がついている
・ 県内でここまで大きいのは初めて見たなぁ
・ 明神系鳥居の発展形の【山王鳥居】
・ 高山稲荷神社の摂社・末社の【高山山王神社】の鳥居がこの形状
・ 県内にはそもそも山王鳥居が少ない
・ 何気に初めての鳥居で感動

【三の鳥居(社殿前の鳥居)】
笠木  : あり?
島木  : あり・反り増しあり
木鼻  : あり
楔   : あり
額束  : あり
その他 : ん~?
・ 多分明神鳥居
・ 笠木が苔むしている
・ 笠木が水平で、島木が無い場合の鳥居だと【宗忠鳥居】
・ 自然の中に溶け込んだ鳥居

【参道】
・ 一の大鳥居から車で3分ほど走らせたところに二の鳥居
・ 大鳥居から二の鳥居まではのどかな農道
・ 二の鳥居から御社殿までは1本道
・ 自然の中に霊場があるような感覚
・ 熊は怖いが…いいところ
・ とても歩きやすい参道
・ 苔道
【手水舎】
・ 手水舎は探せなかったが、お地蔵様は居りました
・ 二の鳥居近くに居られる

【二の鳥居前の狛犬】
髪・眉 : 前髪カールして眉は隠れている。髪の毛は腰まで伸びていて、髪先がカールしている
口・歯 : 唖形型の狛犬は大きな口を開けている。四角い普通の歯が並び、上下に牙が合計で4本ある
髯   : 顎髭が生えている。髪同様に毛先がカールしている。それほど長くない
耳   : 伏せ耳。大きい耳
目・鼻 : 楕円形の大きな目をしている。鼻も顔の中心に目立つ獅子鼻
毛・尾 : 毛先は体に張り付いている。尻尾は真ん中が立っている、立ち尾
手足  : 手足はごつごつと筋肉質
姿勢  : 背筋を伸ばしたお座り
・ 見た感じ新しめの狛犬
・ 現代風の狛犬
・ 吽形型は前足の下に凛々しい子狛犬
・ 唖形型の前足の下には小さめの毬
・ 毬が見た感じサッカーボール
・ 唖形型の狛犬、口の中に舌がある。結構大きい

【摂社・末社・石碑・その他】
・ 狛犬と違って苔が生えた石灯籠
・ 狛犬よりもこっちの方が古いのかな?
・ 二の鳥居近くにはお地蔵様。季節によって衣装が違うらしい…
・ 建物の跡地には遊歩道が整備されている
・ 広い施設があったのだろう

【御社殿・御本殿】
階層   : 平屋
材質   : 木造
建築様  : 日吉造に似ている?
屋根の特徴: 入母屋造
屋根の材質: 木造
・ 懸造の神社
・ 石垣の上に立つ
・ 国指定史跡
・ 森林の高台に鎮座される社殿
・ 御本殿は上に伸びる渡り廊下(?)の先にある
・ 社殿内は新しい木造の匂いがしていた
・ 外観は歴史のある古い渋みのある様子だが、内部は真新しい感じがする
・ 社殿内は質素な感じだが、集会所のような雰囲気
・ 眺めは………何か森の中から何かが出てきそうな感じ

まとめ・感想

行こう行こうと思っていたところようやくの参拝。去年や年明けに十三湖の近くや、十三湖神明宮までは来ていたのに、雪を恐れて中々来れていなかった場所。機会にも恵まれたため漸くの参拝。
まずは大きな鳥居に圧倒される。県内でも珍しい山王鳥居。小さいものなら高山稲荷神社参拝時に見ているが…。滋賀県の日枝大社の末社という当神社。こんな遠く離れた場所にもあるのね。何気に青森県って霊地と呼ばれる場所が多くて驚く。神社・寺院参拝が好きでなければ気づけなかったかもしれないが…。


森の中に佇む霊地。何かしらのパワーがあるのだろう。虫は全く問題ないが、熊とかは怖いなぁ。怖いなぁ怖いなぁと熊鈴鳴らしながら奥に進むと人の気配?他の参拝者かなぁと思って声を掛けると、「明日の田植祭りの準備さ来でら」とのことで。「なかさはいってけ」と言ってくださり、中に入らせていただくことに。中で参拝をし、写真も撮っても良いかお聞きすると「とっでけとっでけ」と快く応じてくださる。


帰ろうとすると「近くさ観音様あんべ、いぐんだぁ」とのこと。行って見ることに、お礼を言い後にするときに「へばね」と。
いやぁいい時に来れたなぁ。

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