海満寺/日本海は荒々しいよね


日本海に面した場所に立つ観音堂。近くには太宰治の記念館あり!
基本情報
寺院名 : 海満寺
山号 : 無縁山
霊場名 : 無縁山海満寺
宗派 : 浄土宗
住所 : 青森県北津軽郡中泊町小泊小泊204-1
御朱印 : あり
御本尊 : 聖観世音菩薩(津軽三十三観音霊場)
阿弥陀如来(津軽八十八ヶ所霊場)
建立年 : 1658年 or 1617年
創立者 : 良無玄導師
その他 : 津軽三十三観音霊場18番札所、津軽88ヶ所霊場14番札所
歴史
船の難破による犠牲者を弔うために建立された。
小泊観音堂の創建は不詳。嘉永10年(1633)に、中泊町字大間柴鼻に再建されたのが初見。宝永元年(1704)の大地震で観音堂は大破。御本尊の聖観世音菩薩像は津波により流された。
その後、御本尊が海中から漁師の網により引き上げられ、海満寺に安置された。そして観音堂が再建されると再び観音堂に戻された。
江戸時代末期に小泊観音堂に飛龍大権現が勧請合祀され飛龍宮となる。
明治時代初頭の発令された神仏分離令により仏式が廃止され、御本尊は再び海満寺に遷された。社号が神明宮になる。
御朱印について
・ あり
・ 階段を上がってすぐのところに観音堂
・ 観音堂内部でいただける
・ 無人対応
【津軽三十三観音霊場18番札所】

【津軽88ヶ所霊場14番札所】

御詠歌
【津軽三十三観音霊場第18番札所】
見渡せば 御法も深き 海満寺 鐘のひびきに うかぶあまびと
【津軽八十八ヶ所霊場第14番札所】
たのもしや 深き恵みの 海満寺 高きみのりを 説いてひろめん
浄土宗について
【宗祖】
法然上人
【開宗】
承安5年(1175)
【御本尊】
阿弥陀仏
【称名と意味】
・ 南無阿弥陀仏
・ なもあみだぶつ・なむあみだぶつ
・ 阿弥陀仏への帰依を表明する定型句
・ 『南無(なむ)』は サンスクリット語の「ナマス」を音写したもので、「帰依(きえ)します」「心から信じて従います」という意味
・ 『阿弥陀仏(あみだぶつ)』は限りない命(無量寿)と光(無量光)を持つ仏様を指す
・ 【阿弥陀仏の教えを心から信じ、すべてをお任せします】という思いが込められている
【信仰】
・ 南無阿弥陀仏と念仏を唱えることで、阿弥陀仏の本願により、誰でも分け隔てなく極楽浄土に往生できるという教え
・ 仏の力によって救われる
・ 他力本願
【その他】
《南無阿弥陀仏を唱える宗派》
・ 浄土宗 : 法然が開いた宗派。念仏を唱えることで救われる
・ 浄土真宗 : 親鸞が開いた宗派。阿弥陀仏に救われた感謝の気持ちとして念仏を唱える
・ 時宗 : 一遍が開いた宗派。只管念仏を唱えることを重視

観音様と御利益について
【阿弥陀如来】
・ あみだにょらい
・ あみだくじの語源
・ 五智如来の一つ
・ 西方極楽浄土の教主
・ 命あるものすべてを救う誓いを立てて、極楽浄土に導く
・ 無限の寿命を持つことから、『無料寿如来』ともいう
・ 限りない光と限りない命を以って人々を救い続ける
・ 四十八願という誓いを立て、【南無阿弥陀仏】と唱え、あらゆる人々を必ず極楽浄土へ導く
・ 阿弥陀三尊として【聖観音】と【勢至菩薩】と並ぶ姿が多い
・ 二十五菩薩を従えて、雲に乗って往生者を迎えにやってくる
《御利益》
極楽往生、厳正安穏
《守り本尊》
戌・亥
《像容》
・ 釈迦如来同様に装飾品は無し
・ 來迎印
・ 特殊な様相として、斜め後ろを振り返る姿をした『見返り阿弥陀』がある
《真言》
オン・アミリタ・テイ・ゼイ・カラ・ウン

【慈母観音】
・ じぼかんのん
・ 母が子供に注ぐような、底知れぬ深い慈愛の心を持つ観音菩薩の姿
・ 【子安観音】や【子育て観音】とも呼ばれる
・ キリスト教の聖母マリアにたとえられて、【マリア観音】としても信仰されている
・ 温かいまなざしで人々を見も守る
・ 子育て・安産祈願の観音様として、女性から強い支持を受けている
・ 白い衣をまとった【白衣観音】とも
・ 慈しみの母
・ 抱いているこどもは衆生の我々を常に母親の愛情で見守るという意味
・ 子供を抱いている
・ 優しい表情
・ 眼差しは慈しみとあたたかさを持つ
・ 個別の真言は存在しない
・ 『薬を与え苦を取り除く』という仏様
《御利益》
家内安全、子授け、子供無事成長、水子供養、安産祈願、無病息災、日々平穏
《真言?》
【聖観音の真言】
・ オン・アロリキャ・ソワカ
【六字大明呪】
・ オン・マニ・ベメ・ホウン

近くの見どころ
《住所》
・ 青森県中泊町大字小泊字砂山1080-1
《電話番号》
・ 0173-64-3588
《営業時間》
・ 4月~10月 : 9:00~16:30
・ 11月~3月 : 9:00~16:00
《休館日》
・ 4月~9月 : 休館日なし
・ 10月~3月 : 毎週月・火曜日、年末年始は12月28日~1月4日まで
《料金》
・ 一般 : 200円
・ 高校・大学生 : 100円
・ 小・中学生 : 50円
《駐車場》
・ 有り
※ 近くに小学校があるので、そちらに止めないように注意が必要

【「津軽」記念館】
・ 太宰治の作品の『津軽』の資料館
・ 太宰治の子守をしていた越野タケ氏による、生前の太宰の人となりを聞くことができる(ビデオ映像で)
・ ゴリゴリの津軽弁だが、しっかりと翻訳(?)も字幕でついている
・ 資料館の外には作中で太宰とタケが再開するシーンを再現した銅像もある
・ 太宰治と言えば金木町の【斜陽館】や、五所川原市の芦野公園が有名だが、こちらも外せない場所だろう
・ 『津軽』が誕生するまでの経緯が展示されている
・ 貴重な太宰治の写真資料も多い


境内について
【入口・参道】
・ 観音堂名が入った石碑が入口にある
・ 階段を上った先に霊堂
・ 階段下に駐車場がある
・ 階段は手すり付き
・ 階段を上って正面が海満堂。右側に観音堂

【慈母観音像】
・ 階段を上っていくと左側、観音堂の対面側にある
・ 優しい表情
・ 子供を抱いている
・ 慈愛に満ちた表情

【海満寺】
・ 立派な建物
・ 施錠されており中を拝むことは叶わず
・ 外から見ても大きくて立派

【石碑郡】
・ 三十三観音石碑が境内に並ぶ
・ 他にも【元祖大師】の石碑



【観音堂】
階層 : 平屋
材質 : プレハブ
屋根の材質: 鉄板・トタン
その他 : 額束は古い感じがする
・ 内部は畳の部屋
・ 沖舘観音堂などと同じくプレハブ小屋
・ 他と違い外部も内部も綺麗
・ 他の寺院などと同じく、雪国使用のプレハブ観音堂
・ 二重玄関で、入ると鐘もある
・ 結構いい音色
・ 中は結構広い
・ 御賽銭箱にお金を入れて自分で朱印を押印するタイプ



【神紋】
・ 抱き杏葉
・ 佐賀鍋島藩主の家紋
・ 元は大友氏→龍造寺→鍋島氏
・ 異民族の馬具から取り入れられた家紋

まとめ・感想
遠い。別の意味で青森の端にある観音堂。境内から日本海がちらりと見える。潮の良い匂いを感じられる。まぁ青森県は潮の香感じられやすい環境だけど…。当寺院から少し進むと小泊神明宮がある。其処の境内を上がっていくと、日本海を望める場所に着く。太平洋とはまた違う荒々しい海を見ることができる。
「『津軽』資料館」だけでなく、「道の駅 こどまり」も近くにあるので、お土産はこちらで買うことができるか?
境内は広く感じられる。観音堂は無人でこじんまりとしているが、よく整理整頓された場所だ。御朱印の種類の案内もわかりやすい。
波の音を聞きながら参拝もできる場所だ。ただまぁ海満寺内部に入れなかったのは残念だったなぁ…。





